小さな女の子

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先日、とても心が温かくなる光景を見ました。

細い道で車をゆっくり運転していると、幼稚園児位の女の子がお父さんの手を引いてこちらに歩いてきました。

・・・そう、お父さんの手を引いて。

よく見ると、お父さんはサングラスのようなものをかけ、手には杖を持っておられます。

「ああ、この子のお父さんは眼が少しご不自由なんだ。」

そう思って、さらに車のスピードを落とし、ゆっくりとすれ違おうとすると、この女の子は私の車に気が付き、お父さんの手を引っ張って近くにあった電柱の陰へ導き、さらに自分が車道側に立って父親を庇おうとしたのです。

この姿を見たとき、私は何とも言えない感動を覚えました。

「こんな幼い少女が、父親の眼の代わりになって父を導き、身を挺して守ろうとしている。」

少女の献身的なやさしさ、父親への愛が、そのわずかな行動から私に伝わり、心の中がとても温かくなりました。

そして、「この子が大きくなったら、どれほど優しい女性に育つのだろう。」

・・・そんな事を考えてしまいました。

人間には、生まれながらにして仏様の心が宿っていると言われます。

しかし、成長するにつれ様々な垢がその心に付着し、きれいだった心もやがてはくすんだ色になってしまいます。そして、元のきれいな心を取り戻すことは至難の業です。

少女の姿を見て、「どうかこの心を失わずに、大きくなって欲しい。」そう願わずにはいられませんでした。

「この子の家庭は、きっと暖かいんだろうな。」

すれ違ってから車のバックミラーを見ると、その子は再び父親の手を引いて、歩き始めました。二人の未来に向かって。

ほんのわずかな時間。車に乗ってすれ違っただけの短い出会いでしたが、私の心に忘れかけていた温もりと、仏様の慈悲の心を教えてくれました。

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