サクラの家出

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先日 我が家に犬がやってきたことをお話ししましたが そのあおりを食らってしまったのが半野良の猫サクラ

外遊びにも行けず 家の中でグズグズと生活を送っておりました

それでも外に出るチャンスを虎視眈々と狙っていたのが ついに先日 子供がドアを開ける隙をついて逃亡に成功!!

と そこまでは良かったのですが ほどほど気晴らしをして我が家に帰ってきたところが 家の前に犬のカイ君がド~ンと居座っているものだから中に入ることができず とうとうそのまま姿をくらましてしまいました

もちろんカイ君は犬小屋の中に入れて 鎖でつないでいるのですが(普通のリードでは千切られてしまう) サクラにとってはきっと地獄の番犬ケルベロスのように見えていたのでしょう

家族の心配する中 二日ほど声すら聞こえてきませんでした

「このまま帰ってきてくれないのでは…!?」

などとあきらめに似た空気が漂う中 二日目の夜になって 本堂の縁から弱弱しい猫の鳴き声が…

家内が無事にサクラを保護し 家の中に連れ帰ることができました

その間、何を食べて生きていたのか!?

家に帰るやいなや ご飯の入ったお皿に走り寄り これ以上ないくらいにガツガツとほお張っておりました

その姿を見ながら ひと安心するとともに やはり家族なのだと思い知らされました

家族というのは もちろん我々人間から見た言葉ですが サクラにとってもここが自分の家であると認識してくれているのだと感じた時 帰れる場所がある幸せというものを私たちもしっかり喜んでいかなければいけないと感じました

何気なく言った「ただいま」に 「お帰り」が返ってくることが どれほど幸せなことか

サクラに当分 家の中で大人しくしていてもらわねばなりませんが それでもたまに犬小屋のカイに向かって 「シャー!!」と威嚇することを忘れておりません

一体いつになったらこの二匹 仲の良い家族として認識しあえるのか!?
先は長い……

てんやわんやしてます

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前回のつぶやきから少しあきましたが サボっていた訳ではありません

じつは今月15日に我が家に犬がやってきました

山奥(?)で保護され 危うく保健所に連れていかれるところを引き取りました

デカい!!

雑種なのは分かるのですが かなり大きくて まだ成長途上のようなのです

我が家に来てまだ5日ですが この間にも体が成長しているようで 力が半端ありません

普通のリードでは千切られてしまい 首輪も含めて鎖にしています

まあ普通の小型犬ならすぐに引き取り手もあったのでしょうが この大きさになると飼い場所にも困ります(誰も手を出さないのもわかります)

躾はある程度されていたようなので こちらの言うことは何とか従って(従わせて!?)くれています

まだこちらに慣れてくれていないので これからが正念場ですが あおりを食って困っているのは先住猫のサクラ

犬は外で檻に入れているのですが 半野良のサクラはここのところ外出ができず ストレスがたまり気味です

何とか早くどちらも慣れさせたいと考えているのですが まだまだ時間がかかりそうです

加えて 私のほうが犬の体力についていけるのか!? こちらも自信がありません

朝夕の散歩は とりあえずお寺の敷地内をぐるぐる回っていますが 散歩というよりは引きずられている感じ

忘れていました 名前は「カイ」です

保護されていた所で「甲斐犬じゃないの!?」と言われていたり 保護されていた所が海辺だったりと いろいろな意味を込めて名付けました

私は「雰囲気から寅次郎がいい」といったのですが 子供たちから「昭和の匂いは嫌!」と にべもなく却下されてしまいました

生き物の命を預かるということは重たいことです

保健所に連れていかれてしまえば もう後が無かったかも知れません 

誰が山奥に置いていったのかはわかりませんが 犬の気持ちを思えば 少しでも早く家族になれるよう、そして我が家が定住の地として馴染んでくれるように 還暦を迎えた住職は体力に不安を抱えながらも頑張ってまいります

「沁みる夜汽車」の物語

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以前から気になるテレビ番組がありました

NHKBSプレミアムで放送されていた 「沁みる夜汽車」という番組

今はもう放送されていないと思いますが それをまとめた本は出ています

御存知の方もいらっしゃるかも知れませんが 鉄道にまつわる一人の人生を描いたドキュメンタリー番組で もちろん実話です

私は布教師をしている関係から お話の素材を探すために日々苦労をしておりますが その意味でこの番組は大変勉強になる番組でした

歳のせいか番組を見ていて涙腺が緩むこともあり その時々の主人公の人生が自分の心の中に沁み込んできます

出版された本のあとがきに 「乗っている人たち一人ひとりに 沁みる話があるんでしょうね」とありました… 

そうなんです! 私たち布教師はその沁みる話を読み取っていかなくてはいけないのです

人の心に沁みわたるお話というものは 上辺だけを見ているだけでは決してできるものではありません その意味でこの番組は 主人公の心の奥の襞まで描いてくれるので 大変勉強になるのです

人との出会い ひと言の重み それはその時には気が付かなくても 時がたって振り返った時に 必ず心のどこかに刻み込まれているものです

この番組は 私自身の記憶の中の忘れていた「大切な出会い」や「大切な言葉」を もう一度探し出してくれるのです

そして「一人ひとりに沁みる話がある」ということは 誰もが得難い体験や 人生を変えた言葉 出会いといったものを持っているということ その得難い経験に 私たちはどこまで気付き 自分のものとできているか!?

私自身 随分と無為に過ごしてきたように思えてなりません

まだ私が二十歳代のことだったと思います

今は亡き布教師の大先輩が 「沢田君 布教師にとって忘れてはならんことは 運心観法(うんしんかんぼう)やで 心を運んでそこに在る法をよく観なさい」と教えてくださったことがありました

その言葉は 今の私の座右の銘になっていますが それでも何も気づかずに素通りしてしまっていることがなんと多いことか

この「運心観法」こそが 心に沁みる経験を引き出す鍵なのです

そして この沁みる経験を重ねていくことこそ 人生が深まっていくということなのではないでしょうか!?

緊急事態宣言発令中のとある昼下がり 徒然なるままに…

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