大原の里にて

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先日、京都は大原にある融通念佛宗の元祖、聖應大師良忍お上人様の御廟に、布教師会の方々と参拝して参りました。

大原と言えば三千院。

その横を塀沿いに上って行くと、来迎院というお寺があります。

このお寺の本堂の奥に、古びて苔むした三重の石塔が建っており、これこそが、今から九百年近く前にお亡くなりになった、良忍上人のお墓であります。

墓前に向かいますと、真新しい塔婆が何枚も立てかけてあり、どなたかは判らなくとも何人もの方々がここへ参拝に来られていることが見て取れます。

大原は、融通念佛宗の始まりの地であり、宗門の人間は御開山の眠られる土地として、特別な思いを持つ場所なのです。

折りしも季節は梅雨の真っ只中、天気予報は午後から雨だと報じていたのですが、そこはそれ、晴れ男の私が行けば、何とか雨に降られずにお参りすることができました。

お参りした後、ふと考えたのですが、亡くなって九百年近くたった今も「墓前で手を合わせてもらえる」ということが、如何に凄いことであるのか!?

私の場合ならせいぜいもって五十年位でしょうか?

比べること自体に無理があることは百も承知ですが、自身の人生をかけて仏道に邁進し、世の人々の苦しみを除かんとされた姿は、九百年近く経った今も語り継がれ、参拝者が絶えないという形で残っています。

「名こそ惜しめ」

自分の名に恥じないように生きる。

自分を捨て、世の人々のために生きる。

今の私には想像もつかないような行為であっても、昔はそんな事を当たり前のようにやってしまう人間が沢山おられたのでしょうね。

名前が残るのももっともか。

行ってきましたっ!

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先日、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」を観に行ってきました!

「この歳になって…」などと言わないでください。

初めて「宇宙戦艦ヤマト」をテレビで観たのは、中学生の時。

思えば このアニメとの出会いが、私を理数系に向けた、大きな一因であったと思います。

 

「ロケットを飛ばしたい! 宇宙に行ってみたい!」

漠然とした思いを、一つの目標に変えたのが「ヤマト」 でした。

 

大学では応用物理学を勉強し、量子力学の井戸型ポテンシャルに頭をひねりながら、それでも僧侶という道は一切頭には無く、師匠である父親の悩みはそっちのけで学生生活を楽しんでおりました。

今となっては懐かしい時代ですが、「ヤマト」と聞くと、居ても立ってもいられなくなるのです。

で …  観てきました。

いやぁ~ 良かった(^o^)/

 

そこで気づいたのですが、観客の7~8割が、私とどっこいどっこいの年齢の方でした。

「これって…?!」

いや、やはりそうなんでしょう!  … ご同類!

少年時代に心を震わせた作品には、いくつになっても憬れるものがあります。

息子たちは 「歳を考えや!」 などとぬかしますが、

「お前たちには熱い心は判るまい!」と、心の中でつぶやいています。

 

いくつになっても、忘れられないものがある。

いくつになっても、心を熱くするものがある。

 

それが何であっても、持っていられることが幸せなんでしょうね。

 

私は多分、死の直前になっても

「DVDでヤマト見せて~!」と、わがままを言っているのでしょうね。

縁というものの面白さ

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これを書いている翌日、私は神戸にドイツワインの試飲会に行きます(^0^)

「またワインか!」

とは言わないでくださいね!

今夏に楽しむ白ワインを少しまとめて購入するためです。

北野にあるドイツワイン専門の輸入商社とは、もう三十年以上のお付き合いになります。

とりわけ、専務さんとは何度も食事をご一緒させて頂いたり、娘が大学時代にアルバイトさせていただいたりと、本当に有り難く思っております。

ですが、この様なお付き合いをさせていただくようになった最初のきっかけは、私のクレームからでした。

その経緯はさて置き、その時に対応に当たっていただいたのが、この専務さんでした。

以来三十年、多分私が飲めなくなるまで、このお付き合いは続いていくのでしょう。

「小人は、縁があっても 縁に気付かず

中人は、縁があっても 縁を生かせず

大人は、袖触れ合う縁をも生かす」

という言葉があります。

クレームというマイナスの原因が、その人間の対応如何によって想像もしなかった深いお付き合いになる。

この世の出会いというものは、えてしてそんなものではないでしょうか?

縁というものはどこにでも転がっているもの。気付くかそうでないか。一歩踏み出すか踏み出さないか。全ては自分自身の問題です。

私自身を振り返れば、随分と縁を逃してきたように思えます。あと何年生きられるかは分かりませんが、しっかりと良き縁を捕まえて、離さないように生きていきたいです。

と…いうわけで、明日はワインとの良き出会いを求めて参ります。

グラス3杯目まではソムリエ気分。四杯目からは単なる酔っ払い!いや、ノムリエ!

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