檀信徒さんが集まり 輪になって「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と称えながら 大きな数珠を繰る…
最初 小さな声で称えていた人も 周りの人に合わせて 少しずく声が大きくなり やがて数珠を繰るリズムも合ってきて 堂内は一体感に包まれて…
この一体感を得ることによって 私達は 暮らしの中で必要な 「つながり」「結びつき」の大切さを教わることができます
この「つながり」「結びつき」こそ仏様の利益です
大数珠の中には 他の珠より大きい「親玉」が入っています
この「親玉」が手元に巡ってくれば 少し頭を下げて 一層心を込めて「南無阿弥陀仏」と称えたり 「どうぞお守りください」「お救いください」と願いを込めたりと 仏様への功徳を積み また利益を願います
もしもこの時 「離したくない」「私のもの」と 親玉を離さなかったらどうなるでしょう…
たちまち数珠は 上手く繰れなくなってしまいます
でも実際には 数珠繰りが止まってしまったところを見たことはありません
一人が一時の迷いに 手を止めたとしても 周りの人の信心の力によって 数珠は回り続けるからです
そこに迷った人を責める人もいません ただただ数珠が上手く繰れるよう一心になる姿があるだけです
これが「つながり」「結びつき」の中にある 「お互い様」の心です 私達の暮らしは この「お互い様」の働きによって 上手く進んでいるのです
大数珠がスムーズに回るのは「みんなのお陰」 そんな思いが知らず知らずに育てる大数珠繰り
一人では繰れぬ大きな珠も みんなで繰れば大丈夫 この心を大事にしたいですよね
総本山や末寺にて 数珠繰りのご縁が巡ってきたら ぜひご参加ください(溪)
(撮影:脇坂実希)