無常

夜明け前の長い暗闇を破り、東の空が白み始め、鳥たちのさえずりの声が聞こえてきます。

しばらくするとまばゆいばかりの太陽の光が差し込み、新しい朝の始まりを告げます。

そして、次第に車の音や人の話し声が聞こえてきます。

早朝の静寂から一瞬にして活動の世界に変化し、同じ姿を留めない朝が来ます。

昨日までの悩みや不安も、朝の新鮮な空気とともに洗い流され、すがすがしい朝を迎えます。

 

このように、光・音・気配、そして心境に至るまで、あらゆるものが絶え間なく変化し続けることを「無常」といいます。

本宗の教えに、

「朝露(ちょうろ)たちまち消え、電光(でんこう)すなわち過ぐ、幸いなるかな、一日の光景(こうけい)を得て、一日の仏名(ぶつみょう)を称し、往生(おうじょう)を験得すべし」

とあります。

人生とは、朝露が落ちて消えるように、また雷の一瞬の光のように、短いものである。

幸いにも今日一日の命を得たことを喜び、明日とはいわず今日一日の念仏を称えて、さとりを体得しましょう。

 

いま、この瞬間を大切に、感謝と喜びの一日を過ごしてください。(昭)

(撮影:脇坂実希)

精霊馬

近しいひとを亡くした者は、誰しも「亡くなったひとが幸せになってほしい」そう願うものです。仏教的に表現すると、「極楽浄土に往生してほしい」となります。

だけど往生したままだと少し寂しい、そう思うのも人情です。

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茅の輪

6月に入ると大きな神社やお寺の境内に茅(ちがや)やスゲ、薄(すすき)などで拵えた大きな輪が立てられます。

茅の輪と呼ばれるこの輪を潜り抜けることで体に溜まった穢れを落とすことが出来ると言われてきました。

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てるてる坊主

梅雨の季節になりました。

梅雨とは元々、雨でじめじめすると黴が生えやすい事から、黴をもたらす雨と書いて黴雨(ばいう)と言われておりました。しかし余りにも言葉が悪いので、発音が同じ梅の字を当てて梅雨(ばいう)と書き、梅の実が熟す頃に降る雨という意味になったと言われております。

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田植え

去年(こぞ)の実は 今年の種となりにけり 今年の実法(みの)り 来ん年の種

目前の実りを見て 二宮尊徳さんがお詠みになったです

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門前の理髪店

まだまだ寒さが残る3月初旬の頃から御出向され

3月、4月、5月と河内の各在所をお回りし

5月29日ようやく無事に御本尊と供奉員が共に本山にお帰りになられます。

さて本山の南門の近くには長年営まれている散髪屋さんがございます。

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