クリスマス

きれいに飾られたクリスマスツリー。

サンタクロースのプレゼントを枕元で楽しそうに待つ子供達。

日本でも鎖国が解けた明治時代から流入し、すっかり定着した季節の行事ではありますが、皆様は本来の意味をご存じでしょうか。

クリスマスとは、キリスト教の教主である「イエス・キリスト」の降誕を祝う宗教行事なのです。

商業的にも結びつきやすく、聖誕を祝うと言えばケーキということで「クリスマスケーキ」が売られるようになりました。

サンタクロースの赤い服と白いひげも、実は某飲料メーカーのキャンペーンが最初だとか。

また、アメリカでクリスマスに食べるごちそうは「七面鳥」。

その起源には諸説ありますが、イギリスからアメリカに渡った移民たちが食べるものがなくて苦労していた際に、先住民から七面鳥を振る舞ってもらい、飢えを凌げたそうです。

その後、先住民への感謝の気持ちを込めて、感謝祭に七面鳥を食べる風習が定着し、同じお祝い事であるクリスマスにも七面鳥を食べるようになったのだそうです。

しかし、日本で七面鳥は手に入りにくいので鶏肉で代用されることになり、日本でのクリスマスのごちそうはローストチキンが担うことになったようです。

ニワトリさんにとってのクリスマスは、卵といいお肉といい、受難の日になってしまいました。

しかし、よく考えてみてください。

私たちは、食べ物の根本に隠れている見えない「いのち」を日々頂いていると言うことを。

食料品店でお金を払って買ったとしても、それはその食料品に携わった人々へ労力の対価としてお支払いしているのであって、肉や魚はもちろん、お米や野菜に至るまで、いのちを犠牲にして私たちの空腹を満たせて頂いていることを、忘れてはいませんでしょうか。

見返りを求めない施しのことを「布施」と言います。

私たちは毎日「いのちの布施」をいただいている身なのです。

ニワトリさんをはじめ、買ってきた肉や魚は、私たちに見返りを求めることさえ出来ません。

だからせめて、そのいのちに敬意を持って「いただきます」、「ごちそうさま」と手を合わせ、感謝することをおろそかにしないように、そして食べ残すことによって、いのちの犠牲をムダにしないように常に心がけたいものです。

年末年始には、色々と飲食の機会も多い事と思います。

是非、生きて年を越すことの出来る幸せを噛みしめて、毎日の食事でいのちに向き合うことを忘れないようにお願いして、結びと致します。

ちなみに、私たち仏教徒の教えの源は「お釈迦様」です。

このお釈迦様の誕生日は日本では4月8日とされており、花御堂に飾られた誕生仏の仏像に甘茶をかけて生誕を祝う「灌仏会(花まつり)」として古くから親しまれています。

来年の4月8日には、私もお仏壇にケーキを御供えして、お釈迦さまのお誕生日を御祝いしてみようと思います。

4月8日は「花まつりケーキ」。

数年後には、町のケーキ屋さんの定番になることを心から願っています。(洋)

(撮影:脇坂実希)

紅葉

霧に包まれた山々に朝日が射しこんでいる。

山あいの集落から眺める景色もまた朝の静けさの中にある。

グンと冷え込んだと思ったら、今朝は吐く息にも白いものが見える。

こんな日は、陽が昇れば必ず青空が広がり、気持ちの良い一日になるに違いない。

続きを読む

小豆粥

「小豆粥」と言えば、何を想像されますか。

小正月(1月15日)での食事、特別な食事、家族団らん、伝統的行事の食事、何かを達成した時などではないでしょうか。

続きを読む

無常

夜明け前の長い暗闇を破り、東の空が白み始め、鳥たちのさえずりの声が聞こえてきます。

しばらくするとまばゆいばかりの太陽の光が差し込み、新しい朝の始まりを告げます。

続きを読む

精霊馬

近しいひとを亡くした者は、誰しも「亡くなったひとが幸せになってほしい」そう願うものです。仏教的に表現すると、「極楽浄土に往生してほしい」となります。

だけど往生したままだと少し寂しい、そう思うのも人情です。

続きを読む

茅の輪

6月に入ると大きな神社やお寺の境内に茅(ちがや)やスゲ、薄(すすき)などで拵えた大きな輪が立てられます。

茅の輪と呼ばれるこの輪を潜り抜けることで体に溜まった穢れを落とすことが出来ると言われてきました。

続きを読む