東大阪の御回在

大きな鉦の音が商店街にこだますると、人々が何事かと振り返ります。

3月3日から始まる河内御回在は中旬頃に東大阪市を回ります。

近鉄奈良線の駅周辺は商店街と住宅街が混ざり、人々の往来も活発です。

その中を御回在は行くのです。

東大阪市の御回在では、住宅街や商店街、町工場やラグビー場付近を回ります。

人口密度が濃いので融通念仏を知らない人も多く、道行く人は珍しそうに見ていきます。

 

御回在が始まったのは約四百年前。

 

時代は変わり、町も変わり、人も変わりました。

しかし、移りゆく無常の世の中にあっても変わらないものがあります。

それが仏の教え。

仏の教えは今までも、これからも変わることはありません。

 

共々に幸せを願う融通念仏の教えも、鉦の音も変わることなく続くのです。(明)

(撮影:脇坂実希)

 

春一番

「春風や 順禮ともか ねり供養」 小林一茶 時は寛政七年三月二十七日。

江戸時代の代表的な俳人、小林一茶が三十三歳の時に平野大念佛寺を訪れて詠んだ一句です。

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良忍上人

厳かで、遠くまでとおる綺麗な声明が、本堂内に響き渡る。その声を聴いていると、まるで気持ちが洗われ、それまでの悩みや苦しみや悲しみ等が消え、清らかで静かな心が胸の奥に滲み出てくる。

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若草山の山焼き

先日、早春を告げる奈良の伝統行事、『若草山焼き』が行われました。

紆余曲折を経て、現在は1月の第4日曜日に開催されます。

この日若草山周辺は、大勢の見物人でにぎわいます。

近年は、外国の方の姿も非常に多い。

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冬のお檀家参り

「めちゃくちゃ冷えますな」とお迎えしてくださるおうちの方。仏間は前もって温めて下さっているようでホッとします。お線香の煙は低く、壁より部屋の中央へ流れてみえます。

 

バイクで回るお参りはなかなか冷たいものです。それでも若い頃は寒さなんてへっちゃらとばかり、わりと薄着でまわっていたものでした。

少し歳をとり、手袋をつけるようになりました。そうすると、少し暖かくなるのです。

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謹賀新年

いつも融通歳時記をお読みいただき有難うございます。

令和7年のお正月が明け、新しい一年がスタートしました。

とはいっても、時の流れというものは連続したもので、決して途切れることはありません。

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