冬の定例布教

お寒いですね。寒いの嫌ですね。暑いのも嫌ですけれども・・・

私が子供の頃、お寺にはまだ火鉢がありました。冷たい冬の日、いくつもの火鉢が本堂に並べられていたのを覚えています。

炭のにおい。時折、パチっと爆ぜる音。そして、火鉢を囲み、身を寄せ合い、暖を取る人たちの姿。

炭のじんわりとしたあたたかさ。そしてなにより、近くに人のいるあたたかさ。なんとも言えない、懐かしく、あたたかい記憶です。

“人は、あたたかいもの”

しかし昨今、ほんとうに人と人のつながりが希薄になりました。自由でわずらわしさがない反面、あたたかさも失われていってしまっているように感じます。

人間とは、「人」の「間(あいだ)」と書きます。

人と人のつながりの中にあって、はじめて人間になれるということではないでしょうか?

人と人が触れ合うところにあたたかさが生まれ、そのあたたかさを持ってこそ人間であると。

私も人をあたためられるような、そんなあたたかい人になりたいものです。

あたたかい理想の人を目指すことこそ、仏の道。

毎月26日(26日が日曜日の場合は27日)、ご本山大念仏寺で「定例布教」を開いております。

どうぞあたたかい仏の教えに触れ、こころをあたためるそんなひと時をお過ごしいただけたらと思います。

残念ながら、火鉢ではありませんが・・・お寒い中ですので、部屋を暖かくしてお待ちしております。

皆さまのご参詣をこころよりお待ちしております。(光)

(撮影:脇坂実希)