夏の定例布教

今年も暑い夏がやって来ました。

雨の日が続き、ほとほと青空に飢えていたところに、今度は青空と一緒に焦げつくような日照りがやってきました。

「言うまいと 思えど 今日の暑さかな」

暑さに頭までがぼんやりとして、思考が途切れ途切れになる中を 私たち布教師は日々原稿に取り組んでいます。

もちろん、それは自己の勉強ではありますが、何より暑い中を遠路はるばる大念仏寺まで布教の聴聞にお越し下さる皆様に喜んでいただくためであります。

少しでも仏様の心に触れていただきたい。

少しでも心の中が軽くなっていただきたい。

お釈迦様もご修行時代、随分と厳しい苦行をなさいました。

それでも覚りが得られず、苦行を止めて尼連禅河で沐浴をされたとき、一人の村娘が一杯の乳粥(今でいうヨーグルトのようなもの)を供養されたと言います。

疲れ切った体にその乳粥はどれ程の力と勇気を与えてくれたことでしょう。

お釈迦様はそのあと、近くのピッパラ樹の下で最後の瞑想に入られ、忽然と覚りを開かれたと言います。(こののち、ピッパラ樹を菩提樹と呼ぶようになります。)

私たちはお釈迦様のように人を覚りに至らしめることはできません。

ですが、聴聞にお越し下さった皆さんの心が少しでも軽くなれるよう、ホッとしていただけるように頑張っています。そう、お釈迦様が頂かれた一杯の乳粥のように。

暑い夏だからこそ、体の汗と同じくらいに心の汗もしっかりとかいて、心をすっきりして下さい。

今月(7月)の定例布教は26日(水)午後1時30分から、本山延喜殿の3階で皆様のお越しをお待ちしております。(善)

(撮影:脇坂実希)