春一番

「春風や 順禮ともか ねり供養」 小林一茶 時は寛政七年三月二十七日。

江戸時代の代表的な俳人、小林一茶が三十三歳の時に平野大念佛寺を訪れて詠んだ一句です。

現在、毎年5月1から5日まで勤められている「万部おねり」の法要は、江戸時代の昔には、阿弥陀経万部読誦会と二十五菩薩聖衆来迎会が別々に行なわれていたもので、この2つがひとつになったのが、現在の万部おねり法要なのです。

そうすると「聖衆来迎会」つまり二十五菩薩のお練り供養は、元々3月の春のお彼岸頃に行われていたのかもしれません。

実は、現在の万部おねりの法要に合わせて大念佛寺の境内に掛けられ、菩薩様方が順に歩みを進められる「来迎橋」には、この世の世界を此岸、そして阿弥陀如来の極楽世界を彼岸とみたてられており、その両方の世界の橋渡しを観音菩薩様と勢至菩薩様を筆頭に、阿弥陀如来様が来迎してお迎えになられる姿を目の前で再現したいという中興法明上人たっての願いが、この二十五菩薩聖衆来迎の練供養となって行われたのです。

 

今年も昨年同様、大念佛寺は本堂の大改修中ですので、お隣の瑞祥閣前に舞台を広げ、5月1日から5日まで、特別な万部おねりの法要を開催いたします。 今のうちからぜひ予定を開けて、お参りに来てくださいね。(慈)

(撮影:脇坂実希)