お盆

今年もお盆がやってきます。

たまたま我が家のカレンダーを見ていて気が付いたのですが、7月と8月の両方に「お盆」が載っているのです。

これは新暦と旧暦の違いで、東京などでは新暦の7月にお盆の行事をされるところが多いようです。

ところが、私たちが言うところの「お盆休み」は旧暦である8月にとられる方が圧倒的に多いようですね。

やはり全国的に見てもその方がしっくりくるのでしょう。

お盆には沢山のご先祖様が帰ってこられます。私が子供の頃に祖母がよく言っていたのは、「お盆になると、地獄の釜もお休みになって、それこそ沢山の有縁無縁の方々までこの世に帰って来るんだよ。」

子供ながらに、「さすがにそれは多すぎるなあ・・・。」などと思ったものです。

それでも、自分や家族に繋がる大勢のご先祖様が、みな大挙して帰って来られることを考えると、お仏壇にお供えされた沢山の食べ物が、決して多すぎることはないのだと納得してしまいます。

お盆という時期は、生きている私たちと亡くなられたご先祖様方が共同生活をする時なのです。一年でこの時期だけの出会い。精一杯おもてなしをしたいものです。

私たちの住む世界は、眼に見えるものと見えないもの、耳に聞こえるものと聞こえないものから成り立っています。ですから、私たちは見えるもの、聞こえるものだけを捉えていては、この世界の半分しか感じていないことになってしまうのです。

お盆の時期だからこそ、心の眼と耳をしっかり研ぎ澄ませて、沢山のご先祖様を感じていきたいものですね。

自分が何故この世に生を受けたのか?どれほど沢山の方々の血を受け継いでいるのか?

お墓やお仏壇の前で手を合わせ、眼に見えない多くのご先祖様の声なき声を聴き、生かされている自分がどれほど幸せであるのかをしっかりと感じて下さいね。(善)

 

(撮影:脇坂実希)