3月5日融通念佛宗総本山大念佛寺にて大通上人御遠忌法要が勤められました。
融通念佛宗は良忍上人によって1117年に開かれました。平安時代後期のことです。大通上人は良忍上人より数えて第四十六世となる法主猊下。江戸時代元禄のころにご活躍されました。
大通上人の業績は、総本山の伽藍復興、現在に繋がる法要「百万遍数珠繰り」「聖聚来迎会」の復活など、数多ございます。
教義書である「融通圓門章」「融通念佛信解章」も御執筆下さいました。「融通圓門章」の中にこんな一節があります。
「大とは当体に名を得、包含を義とす」
江戸期の融通念佛宗は通称名とし大念佛宗とも呼ばれていました。「融通圓門章」では第3章「略して宗名を釈す」の中で大念佛宗の名前を解釈されています。先の一文は「大」の意味について述べられた箇所です。
大約すると、「大」とは、「大」「小」と比べた「大」ではなく、大が小を包含した、包み込んだ状態を表す。
ここで言う包み込むとは強引に吸収してしまうことではありません。溶け合ってひとつになるということです。それほど「大」は包容力があり大きいということです。
大通上人にとって「大」とはまさしく「融通」の教え、そして良忍上人の存在ではなかったでしょうか。
令和の時代を生きる私達にとって、「大」とは、加えて大通上人の面影にも思えてきます。(丈)
(撮影:脇坂実希)