法明上人

7月7日総本山大念佛寺にて「中祖法明上人御遠忌法要」が執り行われました。 法明上人は鎌倉時代より南北朝時代かけてご活躍された融通念佛宗の高僧です。中興の祖とされています。

融通念佛宗は1117年に良忍上人により開宗されました。代々上人によって法灯は継承されて行きます。ところが第六世良鎮上人が没してのち良き後継者が現れずに法灯は途切れることに。それを救って下さったのが河内の国深江の念仏聖であった法明上人でした。

法明上人は第七世を引き継がれたのち東奔西走のご活躍を続けられます。大念佛寺の復興をはじめ庶民の中に分け入っての伝道は粉骨砕身であったと伝えられます。まさに中興の租とされる由縁です。

法明上人が最晩年に望まれたのが「聖衆来迎」でした。聖衆とは仏さまと菩薩衆。来迎とはいわゆる「お迎え」のことです。我が命が尽きるときに仏さまが菩薩衆を伴って迎えに来て下さる。その望みを目の当たりにしたいと始められたのが「聖衆来迎会」でした。現在も続く「万部おねり」の元となった法要です。

生涯をかけて身を削り人のために尽くす。そして聖衆来迎に導かれて極楽浄土へと旅立って行く。人生の理想を法明上人はお示し下さったと言えます。

ちなみに融通念佛宗の檀信徒皆さまの各家にあるお仏壇、向かって左側の絵像が法明上人です。(丈)

(撮影:脇坂実希)