6月の第3日曜日は「父の日」です。
いつも融通歳時記をお読みくださっている皆さんには今さらの事かも知れませんよね。
ですが、最近でこそテレビや様々な媒体で、目に留まったり耳にしたりすることが増えましたが、未だに6月の第2日曜日と勘違いをされる方がいらっしゃるようです。
かく言う私もふとした時に間違えてしまうことがままあります。
それはやはり5月第2日曜日の「母の日」の存在が大きいからではないでしょうか。
そういえば筆者が子供の頃は、小学校でも母の日に感謝の気持ちを込めてカーネーションをプレゼントすることは先生から習いましたが、父の日のことは全く習った覚えがありません。
それもそのはず、父の日はアメリカ発祥で、1910年6月に初めて父の日の祭典が行われ、1966年に第36代大統領リンドン・ジョンソンが6月第3日曜日を「父の日」と定め、日本に導入されたのはその少し前の1950年代頃、さらに一般的に国内に広まったのは1980年代に入ってからと言われています。
そんなわけで、筆者などは子供の頃には「父の日」など小学校で習った覚えもなく、「母の日」に対してなぜ「父の日」が無いのか不思議に思いながらも「家庭内での力学関係が作り上げたものだ。」と勝手に解釈しながら育った方も多いのでは?
ですが、その起りのお話は素晴らしいお話です。
アメリカにおける南北戦争の後、ソノラ・スマート・ドットというアメリカ人女性が、戦争から復員した父親が男手ひとつで6人の子供たちを育て上げ、末っ子であったソノラが「母を讃える日があるのなら父親を讃える日もあるべきだ。」と牧師協会へ嘆願したことが発端となったといいます。
いずれにせよ、自分を育てて下さった両親に対して感謝の気持ちを忘れずにいることが、人としてのあるべき姿だと私は思います。
そして、そのことを忘れずにいるために「父の日」、「母の日」があるのではないでしょうか。
“ 父は照り 母は涙の露となり 同じ恵みに育つ撫子 ” (善)