万灯会

夏の花火 冬のとんど…

「明るいね」「暖かいね」

子供達の‘言の葉’は 火が日々の生活を より良いものにしている証です

 

でも手におさまる火がある一方 大き過ぎる火は取り扱いが難しく 人知の及ばぬ処で難儀を運んできます

 

そんな火を蝋燭に灯し 手を合わせる…

感謝と懺悔を心に置いて 未来の暮らしが 災いが少なく 幸せの種が息吹くことを願います

 

万灯会は このような様々な思いが宿る明かりを通して お盆の間にお迎えした魂をお浄土へと送る 鎮魂・供養の行事です

 

以前観た映画の中に 8月15日終戦を向え それまで外に明かりが洩れぬようしていた家々に 一つ また一つと明かりが灯っていく…

主人公の心には 先への不安よりも 未来への希望が観えた気がしています

 

大きすぎる火は扱い難しい

小さき火でも 集まれば大きな明かりとなる

 

目の前でゆれる火を 我が心に移し 誰かを照らす火とする…

過去を想いて 今を慈しみ 未来を明るいものとする灯 これ万灯会の御心です(渓)

(撮影:脇坂実希)