2017年 6月 の投稿一覧

縁というものの面白さ

これを書いている翌日、私は神戸にドイツワインの試飲会に行きます(^0^)

「またワインか!」

とは言わないでくださいね!

今夏に楽しむ白ワインを少しまとめて購入するためです。

北野にあるドイツワイン専門の輸入商社とは、もう三十年以上のお付き合いになります。

とりわけ、専務さんとは何度も食事をご一緒させて頂いたり、娘が大学時代にアルバイトさせていただいたりと、本当に有り難く思っております。

ですが、この様なお付き合いをさせていただくようになった最初のきっかけは、私のクレームからでした。

その経緯はさて置き、その時に対応に当たっていただいたのが、この専務さんでした。

以来三十年、多分私が飲めなくなるまで、このお付き合いは続いていくのでしょう。

「小人は、縁があっても 縁に気付かず

中人は、縁があっても 縁を生かせず

大人は、袖触れ合う縁をも生かす」

という言葉があります。

クレームというマイナスの原因が、その人間の対応如何によって想像もしなかった深いお付き合いになる。

この世の出会いというものは、えてしてそんなものではないでしょうか?

縁というものはどこにでも転がっているもの。気付くかそうでないか。一歩踏み出すか踏み出さないか。全ては自分自身の問題です。

私自身を振り返れば、随分と縁を逃してきたように思えます。あと何年生きられるかは分かりませんが、しっかりと良き縁を捕まえて、離さないように生きていきたいです。

と…いうわけで、明日はワインとの良き出会いを求めて参ります。

グラス3杯目まではソムリエ気分。四杯目からは単なる酔っ払い!いや、ノムリエ!

やせ我慢

先日、布教師会がお付き合いをいただいている西山浄土宗のご本山、光明寺(長岡京市)において、布教師の研修会がありました。

平成十三年から参加させていただいており、布教の実演も八年前からさせていただいています。

他宗派との交流、とりわけ布教の実演をするということは、剣道でいうところの他流試合。聞く側も、話す側も緊張の中での研修となります。

この間、十分間の休憩をはさんで二時間三十分。畳の上でじっと正座。

当たり前のように書いていますが、これが結構辛い!

長年お坊さんをやっていますと、足が痺れるようなことはまず無いのですが、体の重みからくる筋肉の痛み、足の甲の痛みはかなりきついものがあります。

そして、ここから我慢大会が始まるのです。

周りの人たちの様子をさり気なく見ながらも、自分自身は会長という立場上微動だにするわけにもいきません。背筋を伸ばし、涼しげな顔で実演をされている方をじっと見て、メモを取る。

実演はなかなか上達できませんが、やせ我慢だけはお陰様でできるようになりました。

研修会とはいえ、この場は真剣勝負の場です。大勢の布教師を前にして、緊張の極致で話をされている方に対して、胡坐をかいて背中が曲がった状態で話を聴く。それがどれ程の失礼であるのか。

逆に、最後まで姿勢を崩さずに美しい姿でいること自体が、話さずとも無言の説法になっていること。

そう考えると、僧侶というものは「立ち居振る舞いすべてが説法になっていなければいけない」ということになります。僧侶である私たちは、常に観られているということを意識して、襟を正して生活をしていかねばなりません。

そして、それがなかなかできない私は、今日もやせ我慢を続けます。

気づくということ

法話教室のお話ついでにもう一つ。

みんながよく言うことの中に、「話のネタがない」ということがあります。

長年布教師としてやって来て思うのですが、自分の身の回りには、何と沢山のネタにあふれていることか。

朝起きて服を着替え、顔を洗う…  その程度の事の中にちゃんと「法」というものが隠れている。

テレビの野球中継を見ていても、法というものを説いていくことが出来ます。

要は気が付くかつかないかというだけの事。

昔、私の子供がまだ小学1年生だった頃の事、担任の先生が「幸せ見つけノート」なる宿題を毎日書かせておられました。

今日一日を振り返って、幸せだと思えたことをノートに箇条書きにして提出させるのです。

最初のころは、ひとつ見つけるだけでも随分考えていたのに、数か月もすればノートに数ページも書き込んで提出するようになりました。

「朝起きた、いつもより五分早起きができた。」

「学校で転んだけれど、泣かなかった。」

「ご飯が美味しかった。」

… 何気ない日常の一つ一つに、実は小さな幸せが沢山詰まっていることに気が付くようになる。

これと同じように、お話のタネも、日常生活の中にたくさん転がっているものなのです。

私たちに必要なことは、それに気づくことのできる眼と心を養っていくこと。

「運心観法(うんしんかんぼう)」

心を運んで法を観なさい… そう教えられるのです。

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