今年も桜の季節がやってきました
この冬は例年に無く寒い冬で、日本海側ではかなりの雪が積もったというのに、これまた例年より早く、桜が満開となりました
人間とは面白いもので、桜が満開になれば寒かった冬を忘れたかのように、お花見の宴が開かれ、花とお酒に酔いしれてしまいます
しかし、桜が何よりも美しく見えるのは、私たち自身があの暗く寒い冬を潜り抜けてきたからなのではないでしょうか
寒さに凍える冬があるからこそ、春の暖かさの喜びを知ることが出来るのです
およそ人の世も同じでしょう
人生には山もあれば谷もあります。晴れた日もあれば、土砂降りの日もあります
雨宿りしたくとも一本の木もなく、雨をしのぐ傘もない。ずぶ濡れで冷え切った体を温めてくれるものさえない
希望の光が見えない中で、すべてを投げ出してしまいたくなる…
そんな時こそ、私たちは歩みを止めてはいけないのです
辛いとき、苦しいとき、しっかりと足元を踏みしめて歩いていきなさい。歩いてゆけば、いつの日か必ず光の下に立つことが出来る
長年僧侶をしておりますと、不思議なくらいに、そんな姿を見て参ります。
幸せというものは長く続くことはありません。その代わり、不幸せもいつまでも続くものではないのです
浮かれた季節の中で、自分の足下をしっかりとみて歩いていきたいものです。