先日、テレビを見ていて素敵なシーンに出会いました。
ちょうど撮影された季節は、3月の終わりだろうと思います。
鹿児島県の甑島(こしきじま)の港を離れていくフェリーに向かって、「先生ありがとうございました!」と書かれた横断幕を持った中学生ぐらいの生徒たちが、去り行く恩師に向かって手を振って別れを惜しんでいるのです。
「なんと素晴らしい別れだろう!」
思わず感動してしまいました。
振り返って、自分の記憶をたどれば、恩師とこのような別れをしたという記憶は全くないことに愕然としてしまいました。
大抵が、新年度の始業式に「だれそれ先生が転任なさいました。」という報告を受けるだけで、改めて別れを惜しむといったことは無かったように思います。
そこで気付いたのですが、「人は良き出会いを求めることはあっても、良き別れを求めることは少ない」ということ。
本来、最初から良き出会いなどというものはありません。一つの出会い、一つのご縁を大切に育てて行くことによって、はじめて良き出会いとなるのです。
そして、良き出会いと出来たからこそ、良き別れが出来るのです。
「会者定離」
出会いがあれば、必ず別れがある。
その別れの時に心から「素晴らしい出会いをありがとう!」と言える人生こそ、本当に豊かで幸せな人生なのではないでしょうか!?