今、外は雨が降っています。
私のお寺は大阪の郊外にあり、本堂の裏手には竹林があります。
少し早めに帰宅した本日は、窓ガラス越しに雨に打たれる竹林を眺めながら、椅子に座って読書をしていました。お気に入りは、藤沢周平の時代小説。
と… そこまでは良かったのですが、気が付くと本を下に落としてコックリコックリ。
「ザーザー」という雨音と「ざわざわ」という竹林の音が何とも気持ちよく耳に響いて、気がつけば心地よい微睡みの中に落ちていました。
人は常に様々な音を聴きながら生活をしています。それは耳に心地よく聞こえるものもあれば、やたら耳障りな音もあります。
今日のそれは、いわば「雨音の中にある静寂」とでも呼べばよいのでしょう。
一切のノイズを雨音と竹林の立てる音が消し去ってしまい、心の中に深い静寂をもたらしてくれました。
お金では決して買えない最高の贅沢!
そう考えると、目に見える贅沢に走りがちな私たちに、「もっと視野を広げなさい」と教えられてもいるようです。
晴れた日は日光浴を楽しみ
雨の日は雨音を聴き
風の日は風に舞う木の葉を追いかける…
そんな心のゆとりをもって生活をしたいものですね。