世間はコロナウイルスに右往左往しておりますが、もう桜の季節なんですね…
今年はコロナのお陰でお花見という訳にもいかず、皆さんさぞつらい思いをされておられることでしょう
実は私のお寺の下にも美しい桜並木があり、毎年この桜の木の下で、お弁当を食べたり、入学式の日に親子で記念撮影をされる方がいらっしゃいます
ところが今年は無粋な工事が行われており、それも3月上旬に工事が終わるはずが、6月までかかってしまうとのこと
「ちょっと待ってよ!約束が違うじゃぁあ~りませんか!」
今日もお寺の下にはショベルカーやトラック。工事車両が入っております
「これで今年の花見は終わった…」と、思ったところに追い打ちがっ!
なんとその桜並木と、隣にある公園の桜の木の枝が、次々と伐採されてしまいました
池の面に枝を伸ばした桜が、何とも美しく見え、私のお気に入りだったのですが、その長く伸びた枝がすべて切り落とされてしまったのです
誰の注文かは知りませんが、あまりにも無粋!
実は昨日、私の家内が切り落とされた桜の枝を何本か抱えて、水をはったバケツに差し込んでおりました。見れば蕾も大きく膨らみ、いくつかは花も咲いていました
考えれば、桜はこの時期のために、一年をかけて花を育てているのです
私はとても悲しい気持ちになってしまいました
それでもバケツの桜は花を咲かせてくれることでしょう。そしてこの中の何本かは家内の手で、生け花として美しく姿を変えてくれるでしょう
無造作に切り払われてしまった桜の枝に、もう一度命が吹き込まれる事で、この桜が確かに生きて花を咲かせたという事実が残るのです
私は改めて、命を大切にするということを学んだ思いがしました
どんな姿になっても大切な命を生かし切る。人もまたそうありたいものです