まだまだ残暑が続いていますが、暦の上では秋。
これから冬に向かって一日一日と日が短くなり、寒さが増してまいります。
「鳴く蝉の春秋を知らず 蜉蝣の夕べを知らず」などという言葉もありますが、
最近の蝉の声は「つくつくほうし」ばかりが耳に届きます。
そりゃあ、この季節ですものアブラ蝉なんかはとっくの昔に姿を消してしまっています。蝉の命は地上に出てしまえば一週間だと言われていますから、夏真っ盛りの時に鳴いている蝉はどこにも生き残っているわけないのです。
と 思っていたら… この夏驚くべき観察結果が出たらしいのです。 夏休みの自由研究に、小学生の男の子がとんでもない観察をして、それがれっきとした学界に於いて報告されました。
なんと、蝉は三週間以上、場合によっては、ひと月ほどの寿命があることが解ったのです。
男の子は、地道に捕まえた蝉の羽に目印と日付を入れ、放してやりながら、蝉の種類別にキャッチアンドリリースをひたすら続け、今回の発見となったのです。
本当に頭の下がる思いがしました。研究者とはまさに彼のような人物を指すのでしょう。大人が「当たり前だ」と頭から信じて疑わなかったことに疑問を覚え、それをコツコツと調べて新しい発見をしていくということは、生半できる事ではありません。
私はまるで、チコちゃんに叱られた思いです。
何事にも先入観を持たず、常に心に疑問符を持ち続けていたいものです。
「ボーっと生きてんじゃないわよ!」 秋の初めに、自らの頭の固さに気付かされた大事件でした。