初めに・・・もっと早くアップしたかったのですが、モデムの故障でネットがダウン!やっと更新できます。
先日(11月21日)、奈良県は平群にあるS寺におきまして、・・・これだけで多分、分かる方には分かると思いますが・・・得度式が執り行われました。
今さら説明の必要はないかと思いますが、得度式とは在家(一般家庭)の人間が、髪をおろして(剃髪)僧侶になることを言います。
私も誡師としてその式に座らせていただいたのですが、お師匠様の前で素直にちょこんっと座る二人の若様の姿を見て、久しぶりに自分の子供の頃のことを思い出しておりました。
私は今の自坊で生まれた最初の子供であったためか、幼いころから周りからは次の住職になるのは当たり前と思われていました。小学校に入れば、「お寺の息子」という格好のいじめ対象にされ、周りの目といじめに反抗して、子供心に「絶対にお寺を出る!」と決心をしておりました。
ところが、会社にも就職し、普通にサラリーマンにもなれたのですが、結局お寺の跡を継ぐことになり今に至ります。
随分と回り道をしてきたような感じですが、今から思えばこの道のりは今の私にとってどうしても必要不可欠なものだったと言えます。
この度、得度式を挙げた二人の若様も、これから先の人生において様々な経験を積んでいかれるでしょう。そしてそのどれ一つを取ってみても必ず自分の肥やしになっていくのだろうと思います。
時には「お寺の息子」というレッテルに反抗することもあるでしょうし、もっともっと自分がやってみたいと思うことが見つかるかもしれません。
それでも最後に帰れるところが自分たちにはあるんだという事は、忘れないでいてほしいと思います。
今回の得度式で、檀家を代表して若様の親元「親受け」という大役を受けてくださったM氏は私もよく存じ上げている方で、お話の分かる大変頼りになる方であります。
若様は、まだ僧侶としての第一歩を踏み出されたばかりではありますが、お師匠様や親受け様の薫陶を受け、沢山の周りのお陰をいただいて、これから先どんな成長をしていかれるのか実に楽しみです。
と同時に、こんなことをつぶやいてしまう自分が、ひどく年寄りじみてきたと、少し驚いています。