ヒグラシの鳴き止む頃に、大和御回在がスタート…
そのあとを足早に、秋のお彼岸が近づいてきます。
ただいまお彼岸の原稿に追われていますが、お盆の疲れを引きずって、頭が働いてくれません。
“Oh! Heavy!”
夏の猛暑を乗り切った体には、昼夜の寒暖差に耐えられる体力が残っていません。
毎日すっぽんの錠剤を飲みながら頑張っています。
あの頃の体力はいずこへ! 嘆いてもよしなしでございます。
そのような中、先日9月3日に我が融通念佛宗にとって大切な行事である、大和御回在が御出光(本山から出発)と相成りました。
御回在は、江戸時代より続く歴史ある行事で、御本尊が本宗の末寺、そして「在を回る」という字の如く、末寺お檀家を一軒一軒回るという珍しい行事であります。これは融通念佛宗のみが有する伝統行事です。
今年は3年に一度の‘山中入り’と云われる年に当たり、例年より六日早くスタートいたしました。
この様な離れ業が可能なのも、本宗が河内と大和、その周辺に末寺が集中しているという、特殊性のたまものであると云えるでしょう。
これを書いている前日が御出光で、唱導師である私を含む7人の僧侶と、4人の奉仕員(在家の方々)の合計11人で奈良県と三重県の境にある、三本松というところに行ってまいりました。
室生寺の近く、国道を挟んで南側に美しい川が流れ、山の斜面に沿うように集落がありました。
お勤めとはいえ、このような所に来ますと心が洗われます。
日曜日ということもあってか、普段離れて暮らしている息子さん夫婦や孫さんも帰ってこられ、家々では賑やかにお迎えしていただきました。
田んぼは稲刈りの時期を迎え、黄金色に実った稲穂が揺れる田んぼの隣には、もう刈り取られた田んぼがあり、その中をカンカンカン…と鐘を鳴らしながら歩く… 何とも長閑な風景の一部に溶け込んできました。
この後、9月の半ばには平群町、10月に入ると斑鳩町に鐘の音が響き渡ります。
どこかで私たちを見かけたら、是非手を振って下さいね。
そして、こう言ってください。
「すっぽんはもう飲まなくても大丈夫?!」