突然ですが、四月の末からつい最近に至るまで、虫に刺されて難儀をしています。
最初、お寺の裏にある竹藪に筍の間引きに入った時に、茶毒蛾の幼虫の毛に触れてしまい、右手首のあたりが腫れあがって、痛みと痒みに悩まされました。
十日近くかかって、ようやくマシになってきたと思ったつい先日、同じように草刈りに入った時には、知らないうちに後頭部を何かの虫に刺されてしまい、右後頭部がポッコリと腫れあがって、これがまた痒くて痒くて…
自然があるということは、喜んでばかりではいられないのです。何しろ家の中に大きな地蜘蛛、百足にゲジゲジ、ほんとこれからの季節は様々な虫が訪問してこられます。(私の子供の頃なら、夜中に家の網戸にはクワガタやカブトムシなどが灯に誘われていくらでもやってきました)
と…いうわけで、これからの季節は虫に要注意なのです。
さて、虫刺されで思い出すのは、まだ私が若かりし頃の本山での修行のこと。
夏安居(げあんご)という夏の間の行の時、一番に悩まされたのが、この虫刺され!
その当時、本堂の裏手に「寮舎」と呼ばれる長屋があり、ここに寝泊まりをしていたのですが、当然冷房は扇風機、網戸は穴だらけで、蚊が入り放題。もちろん、蚊取り線香は焚いているのですが、蚊よりも悩まされたのがダニ!
もともと、修行に入る前に二回ほどバルサンを焚いておられたらしいのですが、ダニはその程度で諦めてはくれません。体中が刺されまくり、暑さと痒みの中で修行が終わった記憶があります。
今年も七月に入ると夏安居が始まります。
最近は修行僧の宿舎も冷暖房完備!虫に刺されて眠れぬ一夜を過ごすこともなく、実に快適な修行生活を送ることができます。
「昔は苦労したものだ…」などと、今の若者に苦労話をしたところで、「あっそう…でっ?」なんて返されてしまいそうで、気の弱い私はこのような所でぶつぶつ書いているのが精一杯。
まあ、それも良い思い出になってはいるのですが…
虫に刺されて、もの思ふ今日この頃。