2020年 8月 の投稿一覧

夏のバカンスについて

今年はコロナの影響で 観光産業がどことも大変なことになっております

夏休みなのに何処かに行きたくても行けない… そんな言葉をお参り先でもよく耳にしました

ひとつは学校の夏休みが コロナの為に大幅に減ってしまったことが挙げられると思います 折角の休みが 親と子供で日程が合わないという悲劇

お寺の場合は お盆の時期が終わったころには もう学校が始まってしまっているという これ以上ない悲劇

まだ若い僧侶の方々 は子供達に申し訳ない思いでいっぱいだろうと思います

我が家の場合は もう子供たちもほとんどが社会人

逆に親である私たちの方が 子供と一緒に過ごす休みを大切にしたいと思いながら 子どもの方が気ままに自分たちの時間を過ごしています

これもまた仕方のないことなのでしょう と…

まあそんな訳で 私も少しだけお休みを頂いて 近場に骨休めに行って参ります

何にもしない

テラスでゴロゴロしながら 一冊の文庫本を読みふける

若い頃ならもっと時間を細かく分けて「あれもこれも」と行動していたのでしょうが この歳になると「何もしない」という贅沢に目覚め 普段はなかなか読めない本を読みふけったり 何も考えずにただ「ボ~っ」と過ごすことが多くなりました

私は「バカンス」というものは人生を楽しむというよりも 生活を切り替えるためのスイッチのようなものではないかと思うのです

旅行に行くも良し だらだら過ごすもよし 美味しいものを食べ歩くもよし

それが明日からの生活のエネルギーとなり 良い意味でのスタートダッシュができるのだと思います

私もこれで気分一新!

9月からは新しいスタートを切ります

老人と老犬

お盆 やっと終わりました

今年の夏はとりわけ暑かったですね しっかりとお盆焼けしました

皆さまはこのコロナに揺れたお盆を如何過ごされましたでしょうか!?

そのお盆の最中のことでした

朝6時ころに車でお寺を出発して しばらく走ったところで赤信号で停車

ちょうどそこに 犬を連れて散歩をする一人の老人が 私の前の横断歩道を渡られました

老人の足はトボトボ 後ろに伸びた紐にひかれて 一匹の老犬がヨロヨロ

確か犬の種類はシェパードだったと思います

昔はもっと精悍な体つきをしていたことでしょう

今は前に出ない足を無理やり引っ張られるようにして歩いていきます

年老いて それでも健康のために無理やり散歩に引かれていく… 
そんな光景でした

ようやく短い横断歩道を渡り切ったところで 飼い主の老人は立ち止まり しゃがんで老犬の頭を優しく撫でてあげました

すると よほど嬉しかったのでしょう それまで垂れて下を向いていた尻尾をフリフリしながら飼い主の方を見上げたのです

それはまるで愛しい人を見つめるように…

ともに年老いた主人と飼い犬

一人と一匹の間に どのような時間が流れてきたのでしょう

きっと心の通い合った素敵な時間を過ごしてきたのだと思います

これから先 一緒に過ごせる時間はそう長くはないかもしれませんが 一人と一匹の間にある暖かい絆は きっとこれからも切れることなく続いていくことでしょう

信号待ちの時間はあっという間に終わり 未練を残しながら 私はお参りに向かいました

お盆という季節は 今は無きご先祖様と心を通わす時期であります

それがたとえ会ったことの無いご先祖様でも ほんの少ししか記憶にないご先祖様でも 心を通わせて 素敵な時間を共に過ごしていただきたい

人生において そんな時があっても良いじゃあないですか

We will meet again. 私たちは再び会います

確か今年の4月だったと思います

コロナ感染に揺れ ロックダウン中の英国民に向けて エリザベス女王がこうスピーチをされました

「再び会う」という言葉

コロナウイルスの脅威に 世界各国で移動を自粛し 日本国内においても移動の自粛 自宅勤務など外界との接触を極端に減らして 人と会わない生活が続くと 人間というものは何故か人恋しくなるものです

確かにモニター越しであれば ウェブ飲み会やテレビ会議など 直接会わなくてもお話をすることもできます

ですが やはり人間というものは温もりが欲しいのです

直接会って その人の体温を感じ 握手したり肩を抱き合って 実物を体で感じたいのです

人間には五感というものがあります

視覚 聴覚 嗅覚 味覚 触覚

前の二つは テレビモニターとスピーカーで感じる事もできるでしょう

ですが匂い・味・皮膚感覚は どうやっても直接触れなければ感じることはできません

人間はこの五感を通して 初めて正しく対象を認識できるのです

人間とは「人の間」と書きます

この「間」の妙こそが家庭を作り 地域を作り 社会を作り 国や世界を作っているのではないでしょうか

コロナウイルスによって人間社会が閉鎖されてしまい 「間」を正しく感じられなくなってしまった私たちにとって 最も渇望して止まなかったものこそ 「再び会う」「会って再び人間を正しく認識する」ということなのだと思います

折からコロナウイルス感染症の二回目のピークがやってきており しかも前回よりも多くの感染者が出てきている昨今 外出には細心の注意をすることは勿論ですが 不要な外出を控え 「もうちょっとの辛抱」と 希望を失わずに過ごして参りましょう

We will meet again.

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