時節

一匹の猿と家内


この時期になると思い出すことが一つ

もうかれこれ三年くらい前になるかと思います

朝 家内がお寺の裏手に洗濯物を干しに行ったと思ったら 慌てて帰ってきました

「猿がいてるっ!」

一瞬 何のことか理解できずに 「へっ?」

「猿、サル、さる~!」

「人の顔を見て 猿 サル 言うなっ!」

「違うねん 裏の柿の木に猿がいてるっ!」

とりあえず裏に行ってみると 確かに一匹の猿が 柿の木から美味しそうな実を一つ手に取って 逃げていくではありませんかっ!

見ているうちに 近くにあった電信柱に スルスルっとよじ登り 下で騒いでいる私たちを高みの見物

「さすが猿だけあって電柱に上るのは上手やな」

感心して眺めていると 私の横から家内が猿に向かって 「う~っ、う~っ」

「あんた何を言ってるの?」と言うよりも早く 電柱上の猿が 「ウッ、ウッ、ウッ」

「あぁ… 猿もちゃんと会話ができるんや… いやいやいや! あなた いつから猿と会話ができるようになったん?」

「いや 何か反応があるかなぁ~と思って」 私の家内は 面白い発想をする人ですその発想と行動が やや単調になりがちな家庭生活に 今までに無かった色合いをもたらしてくれました

「これは当分笑えるな」

猿はそのまま電線伝いに逃げていきましたが 一匹の猿にとった家内の行動に あらためて人間の生活の中には「一服の清涼剤がとても大切なんだ」ということに気付かされました

結婚して四半世紀は経ちましたが、私は全く退屈をしておりません

雨にも負けず、風にも負けず、地震にも…

毎年この季節が来ると、心がソワソワしだします

近くの神社の秋祭り

今年は六月の地震に始まり、七月の大雨、九月は台風21号と、本当に自然災害の多い年でした これをお読みの皆様のところでは、大事なかったでしょうか!?

私のお寺も地震で少なからぬ被害を受け、未だに修復がなっていません。近くの神社に至っては、台風21号の風によりご神木が倒れ、何と社務所の屋根が大破しました 今は大急ぎで屋根の修復がなされています

それでも有難いことに、稲穂はたわわに実をつけ、刈り入れが始まりました

農家にとっては、猛威を振るった雨も風も、すべてはこの収穫の良し悪しで清算されるのです 今年の実りはどうなのでしょう…!?

この秋祭りは、その実りへの感謝を込めて執り行われるのです

私の村では小学生はだんじりに乗せてもらえることから、子供の頃は、誰よりも早く乗り込んで、友達と競って、一番いい場所を確保しようとしていました

今となっては良き思い出ですが、その頃のワクワク感が今でも残っていて、この季節が来るたびに、心が落ち着かなくなるのです

本当は、地車を引っ張りたいのですが、さすがにお坊さんとしては躊躇があり、毎年見学だけにしています

西洋では、ハロウィーンなるお祭りがこの時期に催されると聞いておりますが、これもまた実りへの感謝なのでしょう

どうも最近は、このハロウィーンの方が世間的に幅を利かせているように思えてなりません クリスマス、バレンタインに次ぐ第三の稼ぎ時!なのかも知れませんが、純粋な日本人としては、「がんばれ!秋祭り!」などと応援したいものです

大雨にも負けず、台風にも負けず、地震にも!そして、西洋文化にもかぶれることなく、進め!村のだんじり!

今回もまた取り留めのないつぶやきになってしまいました 反省

喜びと苦しみ半分半分

不思議なもので何故か秋のお彼岸になると赤い花が景色に彩を添えてくれます

言わずと知れた曼殊沙華 私のお寺の近くでも10日ほど前から咲きだしました

お寺から見下ろす田んぼの景色は黄金色

たわわに実った稲穂は重たそうに大きく頭を垂れ… それでも何とか倒れずに立っています

「もうすぐ刈り入れだなぁ…」そんなことを考えながらもその畦道に真っ赤な曼殊沙華が彩を添え、黄色と赤のコントラストに「これが日本の原風景なんだ」ということを思い出させてくれます

この花が咲くと稲刈りももうすぐです

ただ時代の流れか私のお寺の周りも新興住宅の建設が進み田畑が次々に姿を消しています

あと10年もすればこんな素晴らしい風景も見られなくなってしまうかもしれません

 

その黄金色に実った稲穂の横を秋祭りの神輿が子どもたちを先頭にして「ワッショイ!ワッショイ!」と通り過ぎて行く光景はいつまでも残していきたいものです

 

ところが大変なことに今年は9月4日の台風21号でご神木が倒れそれが神社の社務所を半壊させてしまいました 今地元の大工さんが一生懸命修復の最中です

自然とは美しい姿を私たちに見せてくれると共に厳しい試練も与えるのだと改めて思い知らされました

 

昔から私たち日本人は四季の移ろいの中に自然を愛でる感性と厳しさに耐え忍ぶ心を培ってきました

自然の起こす現象には逆らいようがなく例えどんなに科学が発達して台風の進む向きを予測できても方向を変えたり消滅させることが出来ないように私たちは目の前に起こる現象をただじっと見ていることしかできないのです

 

自然を愛でるときは喜びの心自然に耐えるときは忍耐の心

人間が生きてゆくということはこの二つの心の繰り返しなのかも知れませんね

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