最近夜明けが遅くなりました
この時期の朝6時 釣鐘を撞くとき 外はまだ薄暗いです
6時前に外に出て 山門を開け ポストに入った新聞を取り 明るければそれを読みながらラジオの時報を待ちます
風が冷たい朝は 柱に隠れるようにして 風を避けて時間を待ちます
私が子供の頃は お寺にはまだ釣鐘はありませんでした
釣鐘が出来たのは小学校五年生の頃
私の師匠が朝6時に釣鐘を撞くようになり およそ35年位前から 私の仕事になりました
もしも釣鐘が無かったら 朝はゆっくり寝ていられるものを…
なんて考えたことも昔はありましたが 今はこの釣鐘のお陰で規則正しい生活ができるのだと 感謝しております
そして毎朝変らないこのルーティンを通して 私は季節の移り変わりを肌で感じるのです
鼻をムズムズさせながら時報を待つ春
すでに日が昇り 蝉の鳴き声の中で鐘を打つ夏
少し冷たく感じる風が落ち葉を運んでくる今の季節
やがては吹き付ける北風の中で 暗い中を足踏みしながら時報を待つ冬…
雨の日 風の日 照る日 曇る日
それぞれに 一日の始まりの「けじめの鐘」をついています
その音を聴きながら 色々な方々が色々な場所で 色々な思いで生活をされている… そう考えると 朝の釣鐘ってどこか素敵に思えてきませんか!?
夜が長くなると ついつい色々なことに思いが飛んで 今夜もすぐには眠れそうにありません