時節

寒い朝に

寒い!

寒いです!

1月半ばの朝はまだ真っ暗です。そして今朝も大変寒かったです。

毎日の事なので、普通に一年 この状態で過ごしていますが、やはりこの時期は辛いです。今朝も霜柱ができていました。

 

私の朝は午前4時30分に始まります。

5時過ぎから朝の勤行、6時にはラジオの時報と一緒に釣鐘をつきます。

私のお寺は少し高台にあり、釣鐘堂からの眺めは結構いいものです。

 

この眺めの中には 京阪電車の最寄り駅が見えます。

6時に釣鐘をつき始めると、明りの灯った駅のホームに 一人 また一人と、朝の通勤客が姿が増えて行きます。

 

冷たい風が当たり、辛い寒さに耐えながら、じっと電車を待つ姿に、本当に頭が下がります。

「サラリーマンも大変だぁ…」などと心の中でつぶやきながら、ゴ~ン!

 

そんな時に思うんです。「あぁ 一人じゃあないんだ…」

釣鐘堂で一人黙々と鐘をつく。寒さに凍える中、たった一人で鐘をつく…

そんな自分は、ホームで電車を待つ人達に、何故かしら親近感を覚えるのです。

 

朝まだ明けぬ時間から、今日も一日が始まる。

「今日も一日頑張っていきましょう!」 ゴ~ン!

もう一つおまけにゴ~ン!

 

夜明けの鐘が、いつの間にかホームに立つ人々への、私からのエールになって響いていきます。

願わくは この鐘の音を聴く方々が、一人でも多く 元気に一日をスタートできますように! 素晴らしい一日になりますように!

 

私はまた明日もエールを送ります。

 

明けましておめでとうございます

このブログをお読みの皆様、新年明けましておめでとうございます

 

「今年もよろしくお願い申し上げます」としたためたところで

突然ですが 眠い! 例えようもなく眠いです!

大晦日から元日にかけては ほぼ不眠状態で過ごします。還暦近い年齢にはこれは大変堪えます

 

私のお寺でも、恒例の 除夜の鐘つき がありますが、有り難いことに大勢の方がつきにこられます今年は外国からの留学生の方も3名やって来られました。恒例行事も 様変わり です

問題は百八つでは足らないこと。住職としてはこんなに嬉しいことは無いのですが、体がついていかなくなりつつあることを認めざるを得ません

 

元日は、朝から檀家様のお年賀を受け、午後3時になる頃には撃沈!

これを書いている今、2日の箱根駅伝2区の真っ最中です

 

この様な事をつぶやきながらも、私にとって除夜の鐘は、大好きな行事の一つです

様々な方が鐘をつきに来られ、ほんのわずかな時間の出会いであっても、その方々の思いが伝わってきます

 

「今年は受験生です」「20年ぶりに里帰りして つきに来ました」「昨年、長年連れ添った主人が亡くなりました」等々…

釣鐘の前に立って お参りの方々を迎えて

わずか数十秒の会話の中に、その方の 一年間の思い を受け止める…

僧侶としての務めの重さを、改めて実感する瞬間です

一言一言の言葉に込められた、その方の心に正面から向き合う

ただただ聞くだけであっても、そうすることで心の重みが少しでも軽くなれば、これ程嬉しいことはありません

 

「一期一会」

私たちの毎日は、一期一会の連続です。ほんの数秒の出会いであっても、大切にして生きて行くことが、豊かな人生を養ってくれるのです

 

私たち布教師の大先輩が残された句

 

人の世の 出会い嬉しや 法(のり)の道

旅路はるかに 光求めて

 

願わくは、皆様にとって今年一年が心豊かな年でありますように

栗ごはん

私のお寺には 栗の木が一本あります。

今年もたわわに実をつけて、触ると痛いけれども栗のイガが弾けて、今にも美味しそうな実とともに落ちてきそうに実っています。

でも難儀が一つ。この木が道路に面していること。大きく伸ばした枝が道路上にあること。そして、その枝に沢山実がなっていること。

先日からこの木を見上げるたびに、実が少なくなっていることに気づき、慌てて道路脇の土手のあたりを探すのですが、沢山落ちている”いがぐり″の中身はすでに空っぽ。

道行く方々が栗拾いをして、外側だけを残して帰って行かれるのです。(涙)

こればかりは私としても何とも言いようが無く、悲しい思いをしながらも、「これもお寺の功徳のおすそ分け…」と、自分に言い聞かせていました。

そんな時、とある檀家の奥さんが、「栗が沢山採れたから…」と、袋一杯の丸々と膨れた栗をおすそ分けしてくださったのです。

捨てる神あれば拾う神あり

いや、拾われる栗あれば頂ける栗あり

数日後、この栗は「栗ごはん」に姿を変えておりました。

丸々とした栗がいっぱい入った栗ごはん。

秋を味わう何よりのごちそうでした。

今から思えば、「うちの仏様も栗ごはんをお食べになりたかったのかな?」

いや、情けは人の為ならず。お寺に実った栗が、回りまわってお寺に戻ってきたのかも?

よしっ!

次は、道路わきに松の木を植えて松茸を… それはさすがに飛躍しすぎ!

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