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移り行く季節と共に

まだまだ暑い日が続いておりますが 皆様いかがお過ごしでしょうか!?

昨日 あるお宅にお参りに寄せていただいたところ

奥さんが一言

「和尚さん よく焼けはりましたね」

「お陰様で バカンスでお盆参りに行っとりました」

あまり笑えないジョークです

夏の「お焦げ」を残しながら 季節は少しずつ移り行きます

これを書いている今 九州では強力な台風10号が通過していったところです

大阪の空は 台風特有の不気味な雲がまだ残っていて 日差しはあるものの まだ雨も降りそうな感じです

さて コロナに翻弄され 諸行事がことごとく中止や延期となっていたご本山も少しずつ動き出しました

今月からは 写経会が始まります 我が布教師会も定例布教が始まります

とはいうものの 当分は聴聞客を入れずに 布教師の研修という意味あいで行うこととなりました

やはり三密を避けるということを考えると まだ難しいのかもしれません

(現在 本堂で定例布教が出来ないか交渉中です)

これに加え 本山では諸行事のライブ配信を計画しておられ やがては定例布教もネットで聴聞できるようにしたいとのことであります

時代はコロナで一気に20年は進んだ感じです

今までやりたくてもなかなか手を出せなかった事業に 手を付けざるを得ないような環境となってきているのです

これからの布教師は 私も含めて如何に発信力を持つかということが問われることになっていくでしょう

時代は移り行きます それに伴い私たちも変わっていかざるを得ないのです

「宗教革命」今その真っただ中に私たちは立っているのです

夏のバカンスについて

今年はコロナの影響で 観光産業がどことも大変なことになっております

夏休みなのに何処かに行きたくても行けない… そんな言葉をお参り先でもよく耳にしました

ひとつは学校の夏休みが コロナの為に大幅に減ってしまったことが挙げられると思います 折角の休みが 親と子供で日程が合わないという悲劇

お寺の場合は お盆の時期が終わったころには もう学校が始まってしまっているという これ以上ない悲劇

まだ若い僧侶の方々 は子供達に申し訳ない思いでいっぱいだろうと思います

我が家の場合は もう子供たちもほとんどが社会人

逆に親である私たちの方が 子供と一緒に過ごす休みを大切にしたいと思いながら 子どもの方が気ままに自分たちの時間を過ごしています

これもまた仕方のないことなのでしょう と…

まあそんな訳で 私も少しだけお休みを頂いて 近場に骨休めに行って参ります

何にもしない

テラスでゴロゴロしながら 一冊の文庫本を読みふける

若い頃ならもっと時間を細かく分けて「あれもこれも」と行動していたのでしょうが この歳になると「何もしない」という贅沢に目覚め 普段はなかなか読めない本を読みふけったり 何も考えずにただ「ボ~っ」と過ごすことが多くなりました

私は「バカンス」というものは人生を楽しむというよりも 生活を切り替えるためのスイッチのようなものではないかと思うのです

旅行に行くも良し だらだら過ごすもよし 美味しいものを食べ歩くもよし

それが明日からの生活のエネルギーとなり 良い意味でのスタートダッシュができるのだと思います

私もこれで気分一新!

9月からは新しいスタートを切ります

老人と老犬

お盆 やっと終わりました

今年の夏はとりわけ暑かったですね しっかりとお盆焼けしました

皆さまはこのコロナに揺れたお盆を如何過ごされましたでしょうか!?

そのお盆の最中のことでした

朝6時ころに車でお寺を出発して しばらく走ったところで赤信号で停車

ちょうどそこに 犬を連れて散歩をする一人の老人が 私の前の横断歩道を渡られました

老人の足はトボトボ 後ろに伸びた紐にひかれて 一匹の老犬がヨロヨロ

確か犬の種類はシェパードだったと思います

昔はもっと精悍な体つきをしていたことでしょう

今は前に出ない足を無理やり引っ張られるようにして歩いていきます

年老いて それでも健康のために無理やり散歩に引かれていく… 
そんな光景でした

ようやく短い横断歩道を渡り切ったところで 飼い主の老人は立ち止まり しゃがんで老犬の頭を優しく撫でてあげました

すると よほど嬉しかったのでしょう それまで垂れて下を向いていた尻尾をフリフリしながら飼い主の方を見上げたのです

それはまるで愛しい人を見つめるように…

ともに年老いた主人と飼い犬

一人と一匹の間に どのような時間が流れてきたのでしょう

きっと心の通い合った素敵な時間を過ごしてきたのだと思います

これから先 一緒に過ごせる時間はそう長くはないかもしれませんが 一人と一匹の間にある暖かい絆は きっとこれからも切れることなく続いていくことでしょう

信号待ちの時間はあっという間に終わり 未練を残しながら 私はお参りに向かいました

お盆という季節は 今は無きご先祖様と心を通わす時期であります

それがたとえ会ったことの無いご先祖様でも ほんの少ししか記憶にないご先祖様でも 心を通わせて 素敵な時間を共に過ごしていただきたい

人生において そんな時があっても良いじゃあないですか

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