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時代まつりに黒毛和牛!?

少し前の話になりますが、先月末に京都では京都三大祭りの一つ「時代まつり」がありました。

家内が見に行ってきたのですが、実に長~い時間を要するお祭りでございます。

京都のお祭りというのは、大阪などと比べて実にのんびりとした雰囲気で、「流石に千年の都は時の流れが違うでおじゃる。」などと感心してしまいます。

ここだけのお話し、すべての時代の装束を一目で観ようと思えば、御所か平安神宮のお手洗いの前で待ち構えていれば、皆さんそれぞれの時代の衣装を着てずらりと順番待ちをしておられます!  多少時代の順番は違っていますが…

御池通や河原町通、三条通といったところでは見物人が山のようで、写真を撮るのも一苦労! ましてや待ち時間の長さときたら、足が棒のようになってしまいます。

「家内もよく我慢したものだなあ。」と感心しましたが、その夜、一枚の写真が我が家の話題となりました。

牛車を引く一頭の牛。

実に見事な体格。

この写真を見た家族は皆、「美味しそう~!」

「これってやっぱり黒毛和牛?」

「う~ん、多分そうじゃないかな?」

「何処から連れて来たんやろ?」

「やっぱり近江牛違う?」

「この後どうなるんやろ?」

「そりゃあ食べられるんと違う?」

「お祭りに出たのなら、食べられずに済むんじゃあ?」

「いや、お祭りの黒牛やから、プレミアがついて高値で取引されるんじゃ?」

様々な憶測が飛び交います。

いずれにしても、我が家の食卓に並ぶことはまずあり得ない事。

お祭りに出た牛さんを勝手に黒毛和牛などと決めつけて 「美味しそう!」など罰当たりもいい所なんですが、つくづく「我が家は平和なんだ」と思いました。

皆さん、家族で会話が弾んでいますか?

賑やかな家族こそ、幸せの基です。それがどんな話題であれ、みんなが言葉を交わし合うところに家族の心が融通し、暖かい絆が生まれるのです。

・・・それにしても、牛さんゴメンナサイ。、

小さな女の子

先日、とても心が温かくなる光景を見ました。

細い道で車をゆっくり運転していると、幼稚園児位の女の子がお父さんの手を引いてこちらに歩いてきました。

・・・そう、お父さんの手を引いて。

よく見ると、お父さんはサングラスのようなものをかけ、手には杖を持っておられます。

「ああ、この子のお父さんは眼が少しご不自由なんだ。」

そう思って、さらに車のスピードを落とし、ゆっくりとすれ違おうとすると、この女の子は私の車に気が付き、お父さんの手を引っ張って近くにあった電柱の陰へ導き、さらに自分が車道側に立って父親を庇おうとしたのです。

この姿を見たとき、私は何とも言えない感動を覚えました。

「こんな幼い少女が、父親の眼の代わりになって父を導き、身を挺して守ろうとしている。」

少女の献身的なやさしさ、父親への愛が、そのわずかな行動から私に伝わり、心の中がとても温かくなりました。

そして、「この子が大きくなったら、どれほど優しい女性に育つのだろう。」

・・・そんな事を考えてしまいました。

人間には、生まれながらにして仏様の心が宿っていると言われます。

しかし、成長するにつれ様々な垢がその心に付着し、きれいだった心もやがてはくすんだ色になってしまいます。そして、元のきれいな心を取り戻すことは至難の業です。

少女の姿を見て、「どうかこの心を失わずに、大きくなって欲しい。」そう願わずにはいられませんでした。

「この子の家庭は、きっと暖かいんだろうな。」

すれ違ってから車のバックミラーを見ると、その子は再び父親の手を引いて、歩き始めました。二人の未来に向かって。

ほんのわずかな時間。車に乗ってすれ違っただけの短い出会いでしたが、私の心に忘れかけていた温もりと、仏様の慈悲の心を教えてくれました。

嗚呼 永遠のラジカセ

突然ですが、昨日ラジカセを手に入れました。

なぜ今ラジカセなのか?

先月、お参りに寄せていただいた或るお宅(パナソニックのお店)の、仏間でラジカセが懐かしい曲を流しているのを発見! 

早速ご主人に「このラジカセってまだ売ってるんですか?」と尋ねると、「まだパナソニックでも細々と売っていますよ。」とのお返事。

・・・体の中の血液が、逆流するほどの興奮を覚えました。

思い返せば40数年前、私がまだ制服を着て学生生活をしていたころ、ラジカセは学生にとって三種の神器の一つでありました。

LPレコードを友人たちと貸し合って、レコードプレイヤーからカセットテープに録音し、自分の部屋で音楽を楽しんだり、ラジオからのエアチェックをしたりと、これ一台で学生生活を十分満ち足りたものとできる、まさにハイブリッドアイテムでありました。

これで、あの頃に録音した楽曲が再び蘇る。

何年か前のこと、押し入れの奥から、昔のカセットテープが段ボール箱に入ってどっさりと出てきました。これを見た家内は早速不燃ごみとして処分しようとしたので、「これはまだ捨てないでおいて!」と抵抗したのですが、「ラジカセも無いのにどうやって聞けるの?」と現実を指摘するきつい一言。

「いや、必ずラジカセは手に入れるから!」・・・そう言って、密かに段ボール箱を家内の目の届かないところに隠し、今日の今日まで来ましたが、「これでやっと懐かしい楽曲がきける!」

そしてもう一つ、アナログ録音の味が楽しめる!

昨今の音楽はデジタル一辺倒。確かに音質はノイズが無くとても奇麗なのですが、残念ながら、それは自然の音ではないのです。

プレイヤーの針がレコードの溝に入った小さなホコリをとらえる音、カセットテープを巻き戻すときの待ち遠しさ、すべてがアナログ時代の代えがたい財産なんです。

 時代が今よりもずっとゆるやかに流れていた、甘酸っぱい記憶の中へ、今宵私はトリップしてまいります。

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