春の味わい

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今年は例年になく寒い冬でした。

これをしたためている3月初旬

嘘のような暖かさに 「あぁ もう春がそこまで来ている…」

そんな気分にさせられています。

 

そして今夜、我が家の食卓に ‘ふきのとう’ の天ぷらが並びました。

お寺の庭に自然に顔を出す食材です。

例年なら2月の下旬に食べているはずの食材が、この時期にまでずれ込むということは、やはり今年は寒かったということなのでしょう。

ほろ苦い味わいは何とも形容しがたい大人の味で、お酒のあてにピッタリです。

 

そして今月末からは、いよいよ筍の季節。

贅沢なお話ですが、お寺の裏山に、筍がわんさか顔を出してくれるのです。毎朝6時半頃から竹林に入り、多い時で30~40本掘り出してきます。

 

この時期の私は、お参りに出かける前に既に体はヘロヘロ。

掘った筍は檀家のお家へ順次お配りしています。

勿論我が家でもいろんな筍料理が食卓に彩を添えてくれます。

 

季節を味わうという楽しみは、今の時代とても贅沢なことだと思います。

スーパーに行けば、どんな季節の野菜でも手軽に手に入れることが出来、そのことで、人間が季節季節の食材の区別すら付けられなくなってきています。

その時にしか手に入らない食材を自分で苦労して手に入れ、それを美味しくいただけるのは、本当に幸せなことです。

 

毎年、整骨院のお世話になりながらも、筍料理に舌鼓をうつ私は、腰の痛みを差し引いてもやはり幸せ者なのでしょう。

花粉症なるもの

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正直に申し上げて 春は辛い!

この世に”花粉症“なるものが存在することが苦である。

かれこれ30年以上の付き合いになりますが、2月半ばにはクシャミに鼻水、目のかゆみが止まらなくなります。とりわけ、朝起床した時の症状が酷く、朝の勤行はお経の合間にクシャミが混じります。

この症状が6月の頭まで続き、梅雨入りとともに去っていくのです。

まさに ”ゴーン・ウィズ・ザ・レイン“

 

この期間中、抗アレルギー薬のお世話になるのですが、私は耳鼻科に行くことはありません。鼻の穴にチューブを突っ込まれるのが嫌で、いつも内科のお医者様にお願いをして、薬を処方してもらっています。

それでも症状がきついときは(本当は良くないことなのですが…)、さらに追加で市販のアレルギー薬を重ね飲みします。

お檀家さんでの法事や、お葬式などで鼻をズルズルしながらお勤めすることはできず、ましてやクシャミなど論外です。

本当はダースベーダーのマスクがあれば嬉しいのですが、黒衣の上にそんなものを被れば 「和風星間戦争(ジャパニーズ・スター・ウォーズ)」のコスチュームになってしまい、現実的ではありません。

 

最近になって新しい考えをするようになりました。

それは「まだ杉やヒノキの花粉で苦しむのは幸せな方である」ということです。

もし蓮の花の花粉にアレルギーを起こしてしまえば、極楽に行くことを諦めざるを得なくなるからです。

この世に住まわせて頂くのは、せいぜい80〜90年かそこら。

この世に生まれる前、この世を去った後の方が長いのです。

宇宙の誕生から現在までを1年とするならば、人の一生は目の瞬き一回分の時間でしかありません。

 

花粉症を苦ととるか 幸ととるか。

すべてはおのれ自身の心が決めること。これ即ち『心外無別法』。

 

私はまだまだ幸せなんだと思いながらも、しばらくは苦行の日々が続きます。

 

 

梅一輪

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今朝、自坊の中庭にある紅梅が一輪の花をつけていました。

 

「あぁ もうそんな季節なんだ…」

今年の冬は例年になく寒い日が続き、日本海側では記録的な大雪が降ったというのに、季節だけは歩みを止めず、一輪の梅花を咲かせました。

 

私はこの時期の梅が大好きです。

咲き誇っている梅よりも、その蕾を大きく膨らませ、今まさに咲こうとしている姿に、何故か愛おしさを感じるのです。

 

冬の厳しい試練に耐え、「暖かい春の日差しをいっぱい浴びるんだ!」

そんな声が聞こえてきそうで、思わず「よく頑張ったね」と、声をかけてあげたくなるのです。

 

人も同じ

長い雌伏の時を経て、いよいよ希望の大空へと飛び立とうとする時、心からの声援を贈りたくなります。

 

一輪の花が咲くとき、他の蕾にも十分な力が宿り、いつ咲こうかと順番を待っているように、人もまた飛び立とうとする時には、全身の細胞にエネルギーがみなぎり、胸の高鳴りを抑えきれずにソワソワ…

 

春は巣立ちの季節。

春が巡りくるたび、「希望」という名のエネルギーに満ちた若者たちが街に溢れ、その姿を見ている私にまで「元気」をおすそ分けしてくれます。

 

だから私はいつも心の中で叫ぶんです。

「頑張れ~!」

 

梅一輪。

一輪の花の姿にも、心を温め、そして希望を与えてくれる力があるのです。

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